今回更新するのはSONYα7 シリーズの交換用レンズであるSEL1224GMのレビュー記事になります。

SEL1224GMはF2.8通しの12-24mmの超広角ズームレンズです。明るさ、画角、そして画質は共に現存する全ての交換レンズの中で最高峰。

その最高峰のレンズを手にして、手放した自分がいます。何が良くて、何が合わなかったのか、整理してレビューしたいと思います。これから超広角レンズの購入を検討してる方、是非参考にしていただければと思います。

ざっくりとしたSEL1224GMのスペック

 

SEL1224GMのスペック
フォーカス : AF/MF
レンズ構成 : 14群17枚
絞り羽根枚数 : 9 枚
焦点距離 : 12-24 mm
最短撮影距離 : 0.28 m
最大撮影倍率 : 0.14 倍
開放F値 : F2.8
最大径x長さ : 97.6x137 mm
フィルター径 : - mm
重量 : 847 g
備考:出目金レンズ、リアフィルターホルダー装着
SEL1224Gレンズのスペックを読み解いていきたいと思います。
このレンズの大きな特徴としては、
・レンズの前面が繰り出している出目金レンズ
・インナーズームレンズ
・超広角レンズなのに847gと大軽量
と言ったところでしょうか。実際に手にして思いましたが、想像以上にコンパクトなのです。
他社メーカーのこの手のレンズだとシグマとニコンが該当しますが、どちらも1.5倍位のサイズ感となります。
使う感覚としては、同マウントでの超広角レンズのSEL1635GMと変わらないという。ただ、角型フィルター関連を使うとなると話は別です。SEL1635GMと同じ100mmの角型フィルターには収まりません
出目金レンズなのが相まって、150mmサイズの角型フィルターが必要になってきます。
実際Haidaのフィルター1式を揃えましたが、もう重たすぎて設置に戸惑うレベル。
後半の方にも書きますが、このカメラ機材の軽量化を意識していくと、どうしてもこのレンズを選択するというのが厳しくなってきます。
とは言え、レンズ単体であらば最高の性能をもっているので、超広角の画角が必要な場面では最高のパフォーマンスを発揮します。
そんなこんなで自分が撮影してきた写真に続きます。

撮影した写真たち

風景写真とSEL1224GM

滝と前景を超広角で切り取る

SONY α7R3 FE 12-24mm F2.8 GM
ISO 125 焦点距離12mm F9 シャッター速度 8秒

秋田の元滝伏流水で撮影した1枚。この手の滝をと前景を丸々、欲張って撮るには超広角レンズが大活躍。

F9まで絞ると四隅の流れも殆どありません。歪みの扱いは難しいですが、使いこなせば恐ろしいほどの画角で撮れます。。

大きい被写体を超広角レンズで切り取る

SONY α7R3 FE 12-24mm F2.8 GM
ISO 50 焦点距離14mm F10 シャッター速度 1/800秒

SONY α7R3 FE 12-24mm F2.8 GM
ISO 50 焦点距離12mm F11 シャッター速度 1/1000秒

SONY α7R3 FE 12-24mm F2.8 GM
ISO 50 焦点距離12mm F11 シャッター速度 1/320秒

東北の樹氷モンスターを撮影したカット。

この日は晴天で、青空の下に広がる樹氷モンスターたちを撮影してきました。

写真だと小さく見えてますが、なんと3m近い大きさの姿なので、普通のレンズで近づいて撮るにはとてもじゃないけど難しいです。

そこで大活躍だったのがこの12-24mmの超広角レンズ。また1枚目を見ればわかりますが、太陽をど真ん中に配置してもフレアが殆ど出てきません。

写りもよく、逆光に強いのがこのレンズの特徴ではないでしょうか。

星景写真とSEL1224GM

真横に登る天の川を超広角で

SONY α7R3 FE 12-24mm F2.8 GM
ISO 1250 焦点距離14mm F2.8 シャッター速度 30秒

SONY α7R3 FE 12-24mm F2.8 GM
ISO 2000 焦点距離12mm F2.8 シャッター速度 30秒

夏の天の川が横手に登るのは冬の2月の時期。

天の川の全長を入れるにはこの超広角レンズが大活躍です。

今まで16mmで限界を感じていた画作りにも、この超広角を使うことで大分余裕が出てきました。

天の川だけでなく、前景も余裕持って入れられるので、撮影タイミングにもシビアになる必要が無くなります。

ストロボ照射しながら星景撮影

SONY α7R3 FE 12-24mm F2.8 GM
ISO 800 焦点距離12mm F2.8 シャッター速度 50秒

地元千葉での岩場ポイントで天の川と撮影。

あくまで1枚撮りにこだわるため、前景と星景を合成する新星景写真的なのとは違ったテイストの撮影になります。

そうなるとストロボが活躍するのですが、今回は50秒の露光に対して3回のストロボ発光。

50秒という露光だと星が動くのでは?と思われがちですが、12mmでソフトフィルターをかませることで、16mmで30秒露光するのと殆ど変わらない程度の星の動きに留まります。

やはり12mmの画角は星景撮影には強いです。

星ぐるぐると超広角レンズ

SONY α7R3 FE 12-24mm F2.8 GM
ISO 125 焦点距離14mm F9 シャッター速度 3766秒(1h2m)

岩手の桜スポットにて撮影。この場所は方角的に北を向いているため、星ぐるぐる撮るには最適な場所です。

氷点下10度以下だったため、1時間近い露光時間でも熱ノイズもノイズリダクションの後処理だけで殆ど出ないという。

12mmを使えばもっと星のぐるぐるを強調した画角で撮れましたが、ロケーション的に厳しかったため断念。

12mmの星ぐるぐるはポテンシャルが高そうです。

縦構図なのに天の川が横で入っちゃう

SONY α7R3 FE 12-24mm F2.8 GM
ISO 2000 焦点距離12mm F2.8 シャッター速度 50秒

奈良県の星空スポットの聖地で撮影。

今まで夏の天の川を画角に入れきるのにヒーヒーいってた自分ですが、12-24mmを使うことで画角に余裕が出てきました。

そう気づいてたものの、まさか縦構図で天の川がすっぽり入れられるとは思ってもいませんでした。

これは16-35mmじゃ絶対にありえません・・・。天の川撮影での構図の自由さを選ぶならこの超広角レンズは魅力的です。

SEL1224GMを使って感じたこと

イイところ

作例の中にも色々書きましたが、改めて整理すると以下になります。

・FEマウントのレンズの中で最高峰の写り
・12mmからのF2.8通しレンズはこのレンズのみ(2021年8月時点)
・12mmの歪みや流れはF値を絞ることで解消
・インナーズーム機構
・スペックの割にコンパクトな設計
・12mmの画角は異次元で今までの撮影シチュエーションをより柔軟に

こんな感じでしょうか・・・。12mmからF2.8で使えるズームレンズってだけで存在感がやばいです。

そして前景入れての超広角レンズ撮影はThe Landscapeといった画作りが可能になります。

縦構図で前景に切り株入れて、横に天の川が入るとか無茶ぶりができるのもこのレンズの強み。

オートフォーカスも普通に早く精度が高いので、ポートレート撮影でも活躍できるかと思います。

ダメなところ

ここまでイイところばかり書き連ねてきましたが、ダメなところは以下になります。

・価格が高すぎる
・出目金レンズのため、他の角型フィルター関連との相性が悪い
・競合レンズが多い(SEL14F18GM、SEL1635GM)

もう自分が感じたのはこの3つだけでした。むしろコレ以外に思いつくのが無いくらい、このレンズは完璧です。

何故このレンズを手放して、SEL1635GMを使い続けてるのか、それについてちょっと語ってみたいと思います。

何故SEL1224GMを手放したのか

より最適な星景撮影レンズが出てきた

SEL1224GMは星撮影の中で最高峰のレンズと紹介したのですが、実はその後にもっといいレンズが出てきました。

それはSEL14F18GMの存在。14mmでF1.8なのは強いです。

この手のレンズで今まであったのはシグマの14mmくらいですかね。しかもあっちは1kg超えのレンズで、使うにも一苦労なレンズです。

しかしこのSEL14F18GMは460gという恐ろしいほどのコンパクトさ。コレを使わない選択肢は無いくらい、星景撮影のレンズとしては存在が大きいです。

まだこのレンズを使っての星景撮影が出来てませんが、ポートレート撮影で使ったところクセになるくらいの面白画角。

そんなこんなで星景撮影の主役にこのレンズが出てきてしまったのも、SEL1224GMを手放してしまった理由の一つです。

角型フィルターとの相性が悪すぎた

これは個人の感覚になるかもしれませんがSEL1224GMのレンズサイズで、角型フィルターを使うとなると150mmサイズのフィルターが必要になってきます。

しかもこの手のサイズのフィルターは1枚3万近くするので、大出費。

サイズも大きいし、重量もあるため、1台のカメラで三脚据えてじっくり撮影する人向けの装備です。

自分は2台体制で撮影してるのもあり、機動力がどうしても必要です。そうなると装備も必然的に無駄を省かないといけなくなるため、この角形フィルターのサイズアップは大きな弊害になりました。

SEL1635GMで広角側のシステムを運用するほうがものすごく自分の撮影スタイルには合っていたのです。

普段の広角域はSEL1635GMを使い、星撮影の時はSEL14F18GMとSEL1635GMの2つを使うというスタイル。

コレばかりは撮影スタイルの話になるため、SEL1224GMのネガティブな印象というよりかは、あくまでそういう理由で手放した人もいるんだなと思ってもらう程度で捉えてください。

SEL1224GMと相性のいいレンズシステム構成

SEL24105G

間違いなく相性いいレンズはこのSEL2410Gです。標準域をこのレンズでカバーし、望遠域をSEL100400GMで繋ぐという。

そうすることで12mm-400mmのレンズシステムの完成です。この装備構成の人は結構多い気がします。

ただ、欠点なのはF4通しということ。

F2.8の場面というのはストロボを使い出すと結構出てきます。

特に玉ボケとかを狙った撮影になるとどうしてもF4では厳しいです。

後は色味やコントラストの深さがGMレンズに比べて劣る部分があります。

自分は現像時に色々手を加えるのはあまり好きでないため、撮影時で極力落ち着かせるとなるとGレンズの選択肢は無いかな。

GMレンズの絵作りが好きな人にはあまり勧められないかも。

とボロクソに書きなぐりましたが、なんだかんだオールマイティーに撮るならばオススメではあります。

SEL100400GM

望遠域はこのレンズ1択かなと・・・。

個人的にはSEL70200GMが大好きなので、こちらのレンズの使用頻度は落ちますが、なんだかんだ優秀なレンズです。

フィルター経も77mmなので、SEL24105Gと揃えられるのは大きなポイントかな。

まとめ

以上がSEL1224GMのレビュー記事になります。

購入したのが2021年1月で、手放したのが2021年の6月というスピードリリースという結果になってしまいました。

しかしレンズ単体のパフォーマンスは文句の付け所がなく、最高の仕上がりです。

あとは撮影スタイルにどれだけマッチするかなのです。自分の撮影スタイルには合わなかった、手放した理由はただそれだけの理由です。

3本のレンズで12-400mmの構成を組めるのもこのレンズの魅力だと思いますので、α7シリーズで機材を考えてる方、一度はSEL1224GMの購入検討してみてはいかがでしょうか。