世の中は数年前から空前の絶景ブーム。つまり絶景を追いかけて写真を撮りに出かける人が増えてます。
この数年SNSが発展して、フォロワー数の多い、絶景を追いかけているPhotographerからTravelPhotographerを名乗る傾向があるように感じます。
ただ、人によってはSNSウケを狙うべく撮影に行ってる人も実際に多いです。
そしてその流れでTravelPhotographer(トラベルフォトグラファー)を名乗る人が多いのかなと正直なところ感じてます。
自分の考えるTravelPhotographer、そしてなりたいTravelPhotographerの姿について色々書いてみたいと思います。
自問自答に近い記事なので、この記事内容が正解という訳では有りません。
あくまで一つの考え方として、コラム程度に読んでもらえると嬉しいです。
記事に続きます。
自分の考えるTravelPhotographerについて
個人的に本来のトラベルフォトグラファーは以下の定義で考えてます。
本当にTravel(旅)が好きで、旅先で見つけた非日常を作品にして他人に向けて表現したいと思える写真作家
ここで指している形にして表現したいというのはプリントして展示まで行うということです。
職場の近くにメーカーギャラリーがあり、定期的に訪れてますが中には旅をテーマにした展示がときたまあります。
旅先に対し、情熱を持って赴いて、危険を伴いながら撮影してきた写真。そして撮影データを写真にまで起こして、展示をするのは物凄くパワーを使います。
しかしそれだけ展示されている旅作品はSNSでみる画像とはインパクトや訴えてくるものが全然違うんですよね。
そしてメーカーギャラリーで展示をしている旅作品なので、生半可な展示作品だと公募審査から弾かれます。なので必然的に作品力が上がってきます。
そして何より凄いのが、
旅という切り口なので風景全般、スナップ、ポートレート、動物、Droneといった複数のジャンルが一同に出てきます。
正に旅写真の醍醐味と言ってもいいでしょう。いろいろなジャンルの作品を旅というテーマで見れるのは楽しいものです。
自分がこれらのテーマを撮るようになってたのも、実は旅をテーマにした展示が影響してきてるなと改めて感じました。
こうして見てきた人に伝わってるのだからこそ、自分が見てきたメーカーギャラリーの展示作家の作品力がホント凄いと言えます。
そんなこんなでメーカーギャラリーで展示されている旅をテーマにした写真展を通じて色々と学んできたのでした。
そして自分は本当の意味でTravel(旅)をテーマにした写真作家の少数派になりたいのだなと改めてわかったのでした。
将来的になりたいTravelPhotographerの理想像
具体的には、以下のようなTravelPhotographerになりたいと考えてます。
・風景、スナップ、ポートレート、動物、Droneなど複数ジャンル撮れる写真家
・作品力の高い(中身のある)写真家
→コンテストや公募展などで評価されている
・世界規模で活動し、精力的に展示を行っている写真家
まずは風景だけでなく、スナップ、ポートレート、動物、Droneなどのジャンルを撮れるようになるという事。
旅というテーマでは幅広い守備範囲を求められます。
またこれらのジャンルで一定の評価を得られるようになるということも大事です。一番わかりやすいのはフォトコンテストや、公募展だと思うのでそこで結果を定期的に残し続けていきたいです。
その走りのきっかけとして、2022年は国内の大規模フォトコンテストで主にネイチャー部門で受賞を重ねてきました。
2023年は世界的に有名なフォトコンテストである Sony World photography Awards 2023 のOpenCompetitionのTravel部門でShortlist(入選)となりました。
こういったフォトコンテストの入賞を通じて一定の作品力を担保というエビデンスにもなったので、今の作品に対するスタンスを崩さず写真を撮っていく自信にも繋がりました。
世界中の全部の場所を巡って作品撮りができればいいと思いますが、自分はあくまでも今まで通りの狭く深くを追求していきます。
世界規模で訪れたい国(被写体)を旅し、色々な切り口から国(被写体)の作品撮りを行う。
そんなイメージです。
今後磨いてくべきジャンルごとに必要なスキルについて
風景
風景に関しては、分けていくと細かなジャンルが色々ありますが、ざっくばらんに風景。
そこで今の自分にとって必要なスキル、大事にしているスキルは以下な感じ。
・天候、環境に対する知識や分析、想像力。
・構図のバランス感覚
・撮影地に向かう気力と体力
こんな感じでしょうか。
風景でいい写真を撮るにはというのはまた別でありますが、少なくとも上記の条件を満たさないと無理です。
そして風景撮影において一番大事なのが、
理想の条件でその場に立ち会えるか
なのかなぁと思ってます。そのための事前準備が大事なのも風景(特に自然)の醍醐味かなと。
この国内の撮影地で磨いてきた感覚は常に維持したい次第。
スナップ
先日大阪遠征でスナップ撮影と、ポートレート撮影をメインに行なってきましたが、とても気づきのある旅になりました。
特に大阪のスナップ撮影で学んだ中でも大事だなと思ったスナップスキルは以下な感じに。
・瞬発力
・観察力
・フィールドに潜む非日常を探す感覚
・非日常に対する明確な定義と言語化
これらはいい写真を撮るにあたっても大事な要素だと個人的には思ってますが、特にスナップ撮影では大事だと感じてます。
全てのジャンルにも通じますが、スナップ撮影では瞬間的に非日常を探す力が特に求められます。
スナップ撮影が全てのジャンルにおける基礎と言われるが所以はここだと言えるくらいです。
特に非日常に対する明確な定義と言語化は重要で、これが無いままスナップ撮影に取り組んでしまうと、何を撮りたかったのかが余計にわからなくなります。
ただでさえスナップ写真のジャンルは、自然風景に比べて伝わりにくいジャンルです。
撮り手の作品力だけでなく、写真を見る側のスキルも求められます。なのでいかに言語化出来るかは重要です。
ポートレート
このジャンルも奥が深いもので、なかなか自分なりにしっくりくる答えが出ないまま数年たってました。
しかし先日訪れた大阪遠征でのポートレート撮影で色々と気付きがあり、特に大事だと感じたのは以下のスキルに落ち着きました。
・被写体に対する情熱
・被写体がより美しく見える角度や構図の理解
・被写体に対してどんなイメージを求めているかの言語化
まず被写体さんに対し熱意がないと撮れません。特に興味ないレベルになってしまうと撮影そのものが苦痛です。
そして被写体さんに対し熱量が出てきた上で、より良く見える、適した見え方を理解する必要があります。
特に自分は男性視点では見えるものの、女性がキレイに見える条件については疎いです。こればかりは学んでいく必要があるので、常々勉強です。
また被写体さんに対するイメージも重要で、そのイメージが自分と被写体でマッチしてないと辛いものがあります。いわゆるハマらないというやつです。
例)かっこいい系を撮りたいのに、かわいいモデルさんを呼んでしまったなど
自分は今までなんとなく印象に残ったモデルさんに声をかけて撮影してきましたが、ハマるときとハマらないときが明確にありました。
ハマったときは作品そのものを何度見ても飽きないんですよね。また撮影時の指示出しがスムーズに出てきます。そこに気づけたのは大きかったです。
有償で撮影するモデルさんの場合は、特にこれらの大事な部分をしっかり意識した上で撮影に取り組みたいです。
動物
動物に関しては風景+スナップ+ポートレートで必要なスキルが大事だと思ってます。
自分はまだ僻地の動物を撮影したこと無いので、あまり偉そうなことは言えませんが、ホント難しいジャンルです。
今見えてる必要なスキルは以下な感じ。
・天候、環境に対する知識や分析、想像力。
・構図のバランス感覚
・撮影地に向かう気力と体力
・瞬発力
・観察力
・被写体に対する情熱
・被写体がより美しく見える角度や構図の理解
・被写体に対してどんなイメージを求めているかの言語化
各ジャンルで色々書いたのであまり深くは述べませんが、特に大事なのは
・天候、環境に対する知識や分析、想像力
・被写体に対する情熱
かと思ってます。
これらを明確にし、しっかり伸ばしていきたいスキルです。
Drone
Droneに関してはいわゆる空撮と呼ばれるジャンルで、機械を操縦する技術がまず求められます。
自分のドローン歴は今年3年目で、撮影回数は100回以上、撮影時間もかなり行ってます。
そんな自分が考える空撮において大事なスキルは以下になりました。
・ドローンの操縦技術
・飛行予定地の許可申請など、必要な事務処理能力
・飛行予定地に対しての知識
・問題解決能力
・空間認識能力
・構図力
操縦技術やフライトに必要な申請などのは最低限必要なスキルです。
特に申請に関しては包括で許可をくれる場所もあるので、それを踏まえてフライトの時期を判断し、判断が難しそうなら交渉・相談といったパターンです。
特に自然風景相手の撮影だとフライト日を確定するのが難しいです。
そのため如何に包括で申請出来るかがポイントだと思います。また個人でやる場合、スムーズに進める事務処理能力も求められます。
あとは決められた時間内でフライトするケースがほとんどなので、効率の良さを考えると構図力や空間認識能力も大事です。
一番大事なのが問題解決能力で、フライト時に電波が切れるなど不慮のトラブルがドローン操縦にはつきものです。
そのときに冷静に慌てず問題解決出来るかどうかで、事故防止に繋がるためとても大事です。
まとめ
以上が自分が考えるトラベルフォトグラファーの定義、及びなりたい理想像でした。
特に複数ジャンルを撮れるようになるのは楽しみでもあり、大変でもあります。そしてまた時間のかかる物事でもあります。
自分の場合は風景を軸に他のジャンルの写真力も伸ばしていきたいと考えてます。
器用貧乏に思われるかもしれませんが、
・旅写真に関して凄い写真を撮る人、特に風景は凄い
・展示作品が評価された写真家
と思われるようなトラベルフォトグラファーになりたい次第です。
いつ理想像の姿になれるかわかりませんが、末永く、諦めずに続けていきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは、また。